オカルト/亡霊系=洋画
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呪怨 パンデミック
...2008/06/04(Wed)22:59[修正・削除]
★ 2006年/米、監督/清水崇、製作/サム・ライミ、一瀬隆重、ロブ・タバート、脚本/スティーヴン・サスコ、出演/カレンの家族と関係者=アンバー・タンブリン(妹オーブリー)、サラ・ミシェル・ゲラー(カレン)、ジョアンナ・キャシディ(姉妹の母)、エディソン・チャン(イーソン)、ハイスクール関係者=アリエル・ケベル(アリソン)、テリーサ・パーマー(ヴァネッサ)、宇野実彩子(ミユキ)、イヴ・ゴードン(スクールカウンセラー/デイル先生)、シカゴのアパート関係者=ジェニファー・ビールス(トリッシュ)、クリストファー・カズンズ(その夫ビル)、マシュー・ナイト(その義息子ジェイク)、サラ・ローマー(その義娘レイシー)、ジェナ・ディーワン(レイシーの友人サリー)、佐伯家関係者=藤貴子(佐伯伽椰子)、 田中碧海/尾関優哉(その息子俊雄)、松山鷹志(その夫威雄)、キム・ミヨリ(その母)、その他=石橋凌(刑事)、谷津勲(バスの老人)、他

今をときめく芸人さんの吹き替えやキャプチャーのタイトルが(清水監督監修と銘入りで)他作タイトルのパロディだったりにため息をつきつつ、これは超シリアスでもチープ系でも漫談お笑いともすればミュージカル化すら可能なんじゃね?なんてふとこれは現代の四谷怪談かもと思ってしまったが、今作は"爆発感染(パンデミック)"という仕掛けを楽しみたい。

今回はくたびれた主婦が朝食に文句をたれる亭主をいきなりフライパンで撲殺するシーンから始まる。だがそこは明らかに外国で伽椰子の家ではない。
インターナショナルハイスクール東京。美人で高慢なヴァネッサとミユキはトロくてさえないアリソンをからかうつもりで件の家の探検に誘う。そこは前作「THE JUON」でカレンが放火したとされ今は住む者も無く荒れ果てている。3人が入ったときから異様な空気が漂い始めミユキは風呂場で怪異を見るがヴァネッサの顔色を窺い無視。2人はアリソンを2階の押入れに閉じ込め嘲笑おうとするが彼女は狂ったように泣き叫びその日を堺に異常に怯え実家に帰りたいと訴える。

カリフォルニアのカレンの実家。母親の呼ばれ実家に戻ったカレンの妹オーブリーは寝込んでいる母親に日本まで行きカレンを連れ戻してと頼まれる。が彼女はカレンと違い引っ込み思案でそれを疎む母親との確執が元でカレンと喧嘩別れしたままなのだ。しかしあの明るい姉が放火しボーイフレンド殺しの容疑もかけられ入院中と聞きいやいや承諾する。来日したオーブリーは彼女を見て泣き出す姉を抱きしめ、またロビーで事件に興味を示しルポライターだと名乗るイーソンにも出会う。だがカレンは伽椰子の亡霊に追われ病院の屋上からオーブリーの眼前へと墜落して死亡する。

シカゴのアパートでは高校生レイシーと小学生ジェイクの父親ビルの元に後妻としてトリッシュが迎えられた。彼女は明るく美しくレイシーは一応歓迎するが幼いジェイクは馴染めない。ある夜ジェイクは隣家の壁伝いに異様な物音を聞き普段穏やかな隣家の夫妻が無言で重い表情でトレーナーを目深にかぶった人物を連れ帰るのを見る・・・。

パーツは解りやすいが、その分時間軸のズレと組換えで主軸の関連性が判り難く"爆発感染"がどう言う意味なのか最後まで引き摺る。また今回"伽椰子出生の秘密"などが差し挟まれるが、その分チープで香港映画っぽいぼったくり感を楽しむのも一興かと。威雄は相変わらず無敵最狂。ハリセン箕輪の棒読み吹き替えも含めオーブリーには激しく合掌。

1303号室
...2008/06/04(Wed)18:00[修正・削除]
★ 2007年/米、監督/脚本/及川中、原作/脚本/大石圭「1303号室」(河出書房刊)、脚本/佐藤孝昌、出演/中越典子(緑川真利子)、大谷直子(その母)、深田あき(その妹/沙弥香)、松尾敏伸(沙弥香の彼氏岩田)、古田新太(桜井刑事)、初音映莉子(杉内幸世)、街田しおん(その母/幸子)、板谷由夏(隣人少女の母)、他

海岸に聳え立つプール付きのリゾートマンション"ブルーパレス平岡"の最上13階1303号室に仲間たちの手伝いで越してきた沙弥香は、彼氏との同棲生活に胸躍らせていた。が引越しパーティーで盛り上がる最中、玄関脇の廊下奥の和室に迷い込んだ犬を追って入った後、リビングに戻るなりペットフードを犬食いし、ヘルメットをかぶって「だって顔がつぶれたらイヤでしょ?」と呟きベランダから身を投げた。
早くに父親を亡くし、実家に性の合わない母親と残る決意をし、彼女を笑顔で送り出した姉の真利子は突然の訃報に涙も出ないほどショックを受けつつも、狂乱する母親を諌め妹の荷物の整理のためその部屋に1人泊まりこむ事となる。

だが件の和室がふとした拍子に臭うのだ。妹の死の真相にも全く思い当たらない。滅多に戻らない隣人の母親も異様で荒れ放題の部屋に1人残されている少女は「その部屋に住むおねえちゃんはみんな死んじゃうんだよ」と呟き、部屋を片付けるうち妹の持ち物でない銀のイヤリングを発見したり、異様な気配も次第に強くなって行く。調べていくうち直前にやはり若い女性が投身自殺をしており、不動産屋に抗議に行くが話にならない。

そんな中、刑事と名乗る男桜井が現れその部屋での事件の数々を聞かされる。実は投身自殺を遂げたのは妹含め5人、発端とも思える母子殺人事件の被害者である母親を含めれば、なんと6人がその部屋で死んだというのだ。
死の連鎖は夫を亡くした杉内幸子とその幼い娘幸世が越して来たことに始まる。当初は優しかった母親が長い生活苦に喘ぐうち狂気し、社会人となった娘をなおも虐待するうち殺害されたのだ。幸世は勤勉で物静かな娘だったがもともと他人との付き合いができず殺害の日から退職し引きこもり、その遺体を和室の押入れに半年間放置していたが、退去勧告を受けてベランダから飛び降りたというのだ。

だが、真利子には幸世の狂気がわからないわけでもなかった。なぜなら、妹に執着するあまり自分を長年ないがしろにし続けその別離や死を堺にさらに狂乱する母親に対して、すでに憎悪に近い念を抱く瞬間があるからだ。気配は次第に濃い死臭となり部屋中に満ち始めるが・・・。

大石ではなく「コワイ女〜カタカタ」で迫真の演技を見せてくれた堀越で選んだのだが、発端の事件そのものが尊属殺人大流行の昨今ではさして目新しく思えなくなっている状況もあり、あーまたこのネタか感が否めないのはかなりの痛手だったかも。
海外資本のジャパンホラーと大看板を背負わされていたようだが、中越以外ベテランはアリモノ若手はぐずぐず状態で特殊メイクもしょぼくその上ラストにど派手な特撮ショーと来てはいかな陰湿ジャパンの悲壮設定もぶち壊しである。彼女はどこでも至極真面目にやってる分本当にもったいない。がんばれ中越。