「DOUBLE BIND 4」「乾いた機械」より抜粋 2

 セルが大きく息を吸うと、その背中の黒く光った羽がヴォと音をたてながらわずかに開いて、身体に内包されていた尻尾が、粘液を滴らせながらゆっくりと体外に排出されていく。
 それは、まるで意識を持った生物のようにぐぐっと伸びをすると、二、三度左右に大きくくねって、どんっと音をたてて地面を打った。

 ピッコロが、びくっと身を強ばらせた。
「恐いか? 何を恐れているんだ? え? ピッコロ。大丈夫、殺しはしない。仲良くしようと言っているのが解らんか?
 私はやさしいぞ。あんなサルどもよりずっとな。おまえの身体が一番望んでいる事を与えてやれる。」

 指が、ゆっくりと唇を撫でる。
 尻尾が、ピッコロの足首を捕らえると、ぬるりと巻き付いてきつく締めあげながら這い上がる。道着を通してそれの感触が伝わってくる。決して熱く滾ることの無い血が、 その中でどくんと大きく脈打ちながら、膝から内腿へと撫で上げる。
「思ったとおり、いい声で鳴けるじゃないか。」

 指が、きつく噛み合わされた歯を抉じ開ける。
「はっ………」
 犬歯を指の腹が撫でる。口腔を犯すその感触に、身体中が粟立っていく。

 恐れている、怯えている、理解している。
 身体の奥に、あの痛みのようのものがつきっと蘇る。

 ・・・・吐きそうだ・・・



 たいへん申し訳ない事にCELL×Pである(^^; しかももともとがクリーチャーであると言うだけでたいてい一目惚れ、かのエイリアンは言わずもがな、物体Xでさえストライクゾーン、その上無類の尻尾フェチであると言う筆者に、これ以上運命的な出会いがあっただろうか(いや、無い(笑))。正統派読者諸君、また、健全系パロ者諸君、ましてや原作様にはとてもじゃないが足など向けて寝られようはずもない。もっと言えばお天道様にさえ顔向けできず、いわゆる裏街道ッぽさ全開の巻である。とりあえず、ここではただひたすら詫びるのみである。本当に申し訳ない(笑)。
 拙作「DOUBLE BIND」既刊10号の中では、現在、暗黒に飲み込まれたまま魂の浄化をされている途中で、時折ピッコロの悪夢に現れては悩ませ続けている存在である。再びこの世に生を受ける時、果たして、完璧に浄化されているのか、そして4号で彼がピッコロに言う「ともに行こう」と言う言葉は実行されるのか、実行されるとするならばどういった形であるのか、・・・どちらにせよ、裏街道をただひた走る体制を変えるつもりはないらしい。

2001/5/12 まいる自白す



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