近未来/宇宙/SF系
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ミスト
...2008/06/05(Thu)16:21[修正・削除]
★ 2007年/米、監督/脚本/製作/フランク・ダラボン、原作/スティーヴン・キング「霧」、クリーチャーデザイン&特殊メイク/グレゴリー・ニコテロ、ハワード・ベルガー、音楽/マーク・アイシャム、
出演/トーマス・ジェーン(デヴィッド・ドレイトン)、ネイサン・ギャンブル(その息子ビリー)、ケリー・コリンズ・リンツ(その妻)、スーパーの従業員=トビー・ジョーンズ(副店長/オリー)、ウィリアム・サドラー(技術管理者/ジム)、デヴィット・ジャンセン(その同僚/マイロン)、ロバート・C・トレヴィラー(店長/バド)、クリス・オーウェン(若い店員/ノーム)、アレクサ・ダヴァロス(若いレジ係/サリー)、街の人々=ローリー・ホールデン(若い小学校教師/アマンダ)、アンドレ・ブラウワー(デヴィッドの隣人で弁護士/ノートン)、フランシス・スタンハーゲン(小学校の老教師/ミセス・レプラー)、ジェフリー・デマン(最初にスーパーに逃げ込んでくる老人/ダン)、マーシャ・ゲイ・ハーデン(狂信的なクリスチャン/ミセス・カーモディ)、メリッサ・S・マクブライド(子供が心配だから帰りたいと訴える母親)、サム・ウィットワー(サリーの幼馴染の新兵/ウェイン)、他

デヴィッドは、静かな村の湖畔の家に妻と5歳の息子ビリーと共に暮らす挿絵画家。だが昨夜のひどい嵐でアトリエの窓が割れ部屋は滅茶苦茶、見れば隣人の庭木が倒れボート小屋も破壊されている。隣人の都会勤めの弁護士ノートンとはつい先日別な揉め事が結審したばかりなのに。気持ちを奮い立たせ隣家に向かうとあちらも大木に車が押しつぶされ奮闘中、家に妻を残して彼と息子を乗せてスーパーに買出しに出かける。だが濃すぎる霧が対岸からこちらに向かって広がるのを出掛けに見かけ不安に思う。

スーパーの中は同じく買出しに訪れた客で賑わっていた。みな口々に昨夜の被害を噂し合っているが、休暇で帰郷していた3人の若い軍兵士を上官が呼び出しに来たり、滅多に鳴らないサイレンが響きわたったりするうち、霧は街をすっかり覆い尽くし、外は全く視界が効かなくなる。不安に怯える人々の前に突然、顔中血塗れの老人ダンが必死の形相で駆け込んで来るなり「霧の中に何かがいる!いっしょにいた友人が浚われた!」と叫んだ。

静寂に包まれる街。外では時おり轟音が響き大地震のような振動が響く。商品は店内に散乱し、これまで変人扱いされてきた狂信者カーモディ夫人が「これこそがこの世の終わりだわ!」と振れ回る。そんな中主婦の1人が「この近所の家に8歳の娘と4歳の息子を残してきている。どうしても帰りたい」と泣きながら訴えるがダンの様子に怯えた人々の反応は冷たく、彼女は1人霧の中へと消える。
本当に霧の中にバケモノがいるのだろうか?それは人を襲いすなわち世の終わりなのだろうか?そんな中臨時の発電機が故障し、その修理のために倉庫係のジムや副店長のオリー、若い店員ノームやデヴィッドをはじめ数人の男たちが倉庫へ向かうが、・・・。

かつて「ザ・フォッグ」がそうだったように霧はいつかは晴れてやり過ごせた人々の安堵で終わるものだが。まだ年若かった原作者キングはそれでも僅かな希望を残したがダラボンは容赦しなかった。
地獄の蓋が開く、というのはこういう事だと思う。
みな臆病で善良な人々なのだ。彼らが必死で守ろうとしたのは父親は父親として、技術があるものは技術者として、知恵あるものは文明そのものを、そしてなによりそれまで生きた人間としての尊厳だったのかもしれない。銃を撃つのは誰だって怖いのだ。また人を殺すことも。SFXは恐ろしくその巨大さにも圧倒される。