たまには一服。
手に汗握らない正統派サスペンスをどうぞ。

異常犯罪心理捜査 THE GOLD LIGHT OF DAY
監督:ルドルフ・ヴァン・デン・バーク 出演:リチャード・E・グラント、シモン・キャデル、リンゼイ・バクスター

この系に関しては、『サイコ』や『コレクター』から始まって『X−ファイル』『羊たちの沈黙』『沙粧冴子』『リング』などなどなど。。。数え上げたらきりがないほど、正確に言えば「私は暇があるとこれ」というようなジャンルである。

もうすでに好き嫌いではない。やたらな怨恨や男女間の諍いや、FBI交えてのアクションものよりなによりこれが好き、犯人が異常者でありさえすればとりあえず納得(笑)、いわゆる、煙草とかこーしーとかカレーのように、煙が出りゃ〜草でも吸うぞ状態なのである。

その後に観た、昨日の「月サス」がなんと味気なかった事か。犯人は何人も殺しているくせに整然と「これは復讐だったのよ」と語り、周囲は「気持ちは解るけど、やっぱ、殺人はまじゅいんじゃない?」と諌め、「そうよね、反省しまっす」と解決。。。最後はハートウオーミングなコメディー画面が続く中スタッフキャストがスクロール。。。ヌルい、ヌルすぎる(。-_-。)。。って予測はしてたからミシン踏みながら見てたけど(。-_-。)、すまん>山**紗センセ

さてさて、それより本筋に入ろう。
まずは、主人公がいい男であった(笑)しかもその設定は古いものが横柄に幅を利かせて「刑事ちゅうもんはこうやって取り調べるんじゃ!!」と豪語しつつ暴力で自白を強要する事がどうどうまかり通っているような古式ゆかしい(笑)署内の中の、敏腕で分析力のある若い刑事。

おまけにPCを巧みに使いこなし、情報収集も緻密でかつ正確、前半で自白を強要されたシロの容疑者が自殺すると同時に切れて、それを強要した刑事をパーティー会場で糾弾する所なんかなかなか意気盛んで非常に好感が持てたりもしたわけで(笑)

その後、どこから資金が出ていたのかは定かではないが、刑事をすぱっと退職、独自に犯人を追う所から物語の本筋へと入っていく。

犯人は『連続幼女殺人者』。。少女たちは乱暴もされておらず、首筋をナイフで一裂きされていた所から、少女たちと親しい者の犯行と思われていた。

推理ものなので、あまり仔細には書けないが、ここで注目したいのが、彼が犯人を追っていく過程である。
ただただ緻密なデータ分析ではなく、途中、こいつ自身ロリ入ってんじゃねぇの?と思わせるような、いわゆる沙粧冴子でいう「あっち側」に入っていくようなにおいがある。

それは彼は彼なりの理屈があっての事だと後半解るのだが、肉欲的な後家さんが一緒に住んでいるにもかかわらず、彼の目はその後家さんの娘(7つか8つ?)を一心に追い続けるのだ。そこがいい(笑)

この物語は犯人が誰かという事が主題ではないので、話し中番から犯人もはっきりと姿を現わす。その犯人の切れ方もいい。死体がぐっちゃぐちゃに凝ったSFXでない所もいい。

地味がいい、しっかりしたものがいいと言いながら、もしかしたらこういった鳥肌が立たない程度の安全圏内のドラマが好きなのかもしれない。
それに「異常心理」というスパイスがしっかりと効いていて、それにある程度の考証がされていて、ストーリーがしっかり構築されているなら文句無しだ。

秋の夜長に、つまらないテレビドラマに時間を費やす事よりかは、オススメしたい一本である。テープには『日本未公開』とシールが張ってあった事も一応記しておくとしよう。

 END



「満月夜には恐怖映画を」扉に戻る
タイトル一覧に戻る
ジャンル別短編感想文投稿板/ちょっとしあわせさがしねま

夜会大扉に戻る