DOUBLE BIND
荒野にて満月の下[闘う理由〜前兆編]

◆2006年8月12日発行 COMIC&Other A5/92P 悟飯/悟空/CELL×P

荒野にて満月の下[闘う理由〜前兆編]表紙

後半号のみご購入の方には、大変長らくお待たせいたしました。
3/4合併号の「熱」、「渇いた機械」、ほのぼの総集編の「くちぶえのきもち」、「はるかなる」が悟飯とピッコロの始まり編、間にこの章のプロローグともいえる3/4合併号の番外「PRISNER」をはさんで、悟空が絡み始める章「闘う理由」です。
再版ですので、お手元にある号を再度ご確認いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。


荒野にて満月の下W/闘う理由T 荒野にて〜W/闘う理由T

こんなに近くにいるのに
どうして こんなに 苦しいんだろう

だめになる
オレも おまえも

血が騒ぐ
尻尾が 誘ってる

満月のせいか 血のせいか
どっちにしても オラは
おめぇを 許せなくなると思う

1997年夏発行「DOBLE BIND 6」より再録。30P。
互いを思いつつも迷い続ける二人を見つめる孫悟空。この世で最強の戦士は、同朋であるピッコロが戦士以外のなにものかに変化し始めた事を手放しで喜べるはずもない。怒りにも似た焦燥感は、そのきっかけとなった同じ獣の血を持つ息子へと向けられていくが…。

白状しますが、天真爛漫健全一直線の悟空よりパワーややさぐれた物言いでは超化後の方が私にとってははるかに魅力的で、正直、当時飯×Pほのぼの標準という対極に相当ヘビーな空×Pがあって脳内ぱんぱんでした(笑)。
そのため脳内悟空とアニメ悟空のバランスが取れないまままったく似てないと言う最大最悪の欠点を最終的には丸投げしちゃった(ゴラ)形で書き始めてしまった飯/空×P1作目です。・・・関係各位にはひたすら申しわけないです^^;



荒野にて満月の下X/闘う理由U 荒野にて〜X/闘う理由U

声がする
泣き声が聞こえる
微かに 遥か 遠くから

森にいるのは
おまえじゃないか 兄弟

こんな気ィしてて
おめぇ 闘えなくて
辛くねぇか ピッコロ

オラは 辛れぇ

ピッコロの記憶/過去からの呼び声が悪夢となって彼の生まれた暗い森へと導いていく。ピッコロの出生、闘ってきた理由とは。一方、月が真円に近づくにつれ悟空に芽生えたピッコロに対する激情は一層激しさを増して行く。

1998年夏発行「DOUBLE BIND 7」より再録。38P。
6号で禁忌のタガが外れた途端一気に連爆し、表紙も耽美暗黒系へと暴走しまくり(現3・4合併号表紙)シリアスストマンダーク系空×Pで、完全丸抱え覚悟状態に(笑)
でもどうしても、どうしてもDBにまつわるいろんな事がありすぎて書かずにはおられなかった1作です。



荒野にて満月の下Y/闘う理由V 荒野にて満月の下Y/闘う理由V
「月待宵」

満月前夜。過飽和となり、表面張力ギリギリで保っているそれぞれの思いとは。

1998年冬発行「DOUBLE BIND 8」より再録。16P。
この時点ですでに10号から先の原案はほぼ出来上がっていたんですが、逸る気持ちと裏腹に冬の発行なので制作時間は限られているという最悪の状況の中で、その先を勢いに任せて乱暴に書き飛ばしてしまうのがどうしても納得できず、何故という解説とタメのために一拍おいた号です。



この3冊はアニメ版ではすでに人造人間編からセル編へと移行している時期で、まさに史上初のモンスターヒット、映画も春夏冬と新作が乱発され、ゲーム文具知育玩具からふりかけプリンソーセージに至るまで超元気な悟空が「おっす!オラ悟空!」と親子で販促しまくり(笑)、コミケでは男女問わず超ハード鬼畜系からほのぼのファミリー系までなんでもありで、ダークシリアス系フェチとしては焦りと憤りと苦難と開き直りで(笑)のたうつ日々が続いていた事を思い出します。

悟空は闘神、ピッコロは半神半魔、どちらも神すら超越するモノですが、悟飯はパワーこそ救世主級であるものの未完成で群れの観念を強く植え付けられた地上人。理由はどうあれピッコロが悟飯と番う事を選択した場合、堕天は必須となるわけです。

CELLは「渇いた機械」以来悪夢という形でピッコロに執着し続けます。悟空にとって悟飯は息子でもありまた勇者ピッコロの爪と牙を奪う史上最強の戦士ですが、CELLにとってはどちらも単なる躓きに過ぎない。・・・そのあたりのニュアンスを心の隅にでもお留め置きいただければ。

ちなみにベジータは私の中ではあくまでも悟空の番いです。故郷ベジータ星の記憶をもつ彼にとって、悟空は絶滅危惧種サイヤ人という種の唯一無二の生き残りという認識とともになくてはならない存在だと思いますが、多分悟空にとってベジータは血と血、肉と肉としての同胞で、愛情とか愛とか以前に繋がりという概念すら無用なんではないかなぁと。扱いが薄い故か単に似てない故か(ゴラ)ベジータファンの方にはよくお叱りを受けるのですが^^;私的には全てを超越した最上赤座布団級の扱いと自負しております。

善と悪、神と悪魔、知恵と力、愛と肉、罪と罰、生と死、群れと個、無垢と無知、・・・今でも、「ドラゴンボール」にはいつも激しく揺さぶられます。4コマも語りも何もない、ただ物語だけの一冊です。某か思うところあれば、いつでもお手紙でもmailでもお待ちしております。

なお、今回書き下ろしたのは「ピッコロ誕生に関する妄想と真実」(語り1P)に挿入したカット1点のみで、本文に関しての内容、画像等の加筆修正はほとんどありません。既刊を持ちの方はお手元にある号を再度ご確認いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。



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