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満月夜には恐怖映画を
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ダムド・ファイルっていろんな意味で かなり本気だと思うんだ
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D.N.A. ドクター・モローの島
レビュー
I don't even know what to say, this made things so much eaersi!
by nnvQ4r8fF
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1996年/米、監督/ジョン・フランケンハイマー、原作/H.G.ウェルズ「モロー博士の島」、特殊メイク/スタン・ウィンストン、出演/マーロン・ブランド(モロー博士)、デヴィッド・シューリス(ダグラス)、ヴァル・キルマー(モンゴメリー)、ファイルーザ・バルク(アイッサ)、テムエラ・モリソン(アザゼロ)、ネルソン・デ・ラ・ロッサ(小人マジャイ)、マルコ・ホーフシュナイダー(ムリン)、ウィリアム・フトキンス(キリル)、ロン・パールマン(羊男獣村長老)、ダニエル・リグニー(ハイエナ)、マーク・ダカスコス(豹男ロメイ)、ピーター・エリオット(ヒヒ男アサシモ)、他
SF古典「モロー博士の島」3度目の映画化。 国連弁護士ダグラスの乗った飛行機が墜落し救命ボートで漂流中、貨物船に救助される。彼の治療にあたったのはモンゴメリーと名乗る男で、自分を獣医だと言い治療の手際もいいが粗野でむら気で時おり危ない目をする男だ。ダグラスは早々に本部に戻れるよう希望するが通信設備があるという島で強制的に降ろされてしまう。
その島は南国の豊かな実りと暑さとスコールの続くジャングルに覆われ、中ほどにある巨大な研究施設兼住居に案内されたダグラスはそこがノーベル賞学者であるモロー博士の島である事を知り、アイッサという美しい女性にも出会う。が、それはあくまでも表向きで、その晩、曖昧な理由で軟禁された彼は、脱走した際、研究棟での異様な光景を目撃しその実態を知る。
研究棟の手術台では獣の女が分娩中だった。当然のように生まれた子供も獣、その上険しい形相で振り返った医師たちも皆獣だったのだ。恐怖し逃げ出すダグラスが次に見たのは彼を取り押さえようと集まった屋敷の使用人たちで、それもまたきちんとスーツを着せられているが同じく獣。 パニックする彼を救ったのはアイッサだが、案内された場所はジャングルにある獣人村で、そこは研究棟よりはるかに劣悪な環境で、しかも羊の姿の長老の下、肉食や交配の禁など数々の掟があり肉食獣と草食獣が無理やり共存させられた異様な世界だった。
夜が明け、獣たちに担がせた御輿で恭しく登場したのはモロー博士その人であった。肌には日焼け止めを白く塗りたくり、真っ黒なサングラス、全身に純白の薄物を纏った巨漢で、皆からはお父様と畏れられ慈愛を語るが首に下げたコントローラーで不服従の獣には各々の体に埋め込んだ装置で電撃の刑罰を架するこの島の神である。・・・・
このモローの鬼畜っぷりは凄まじい。ここの獣は人間ベースや外科的物理的に作られた獣人ではない。四足の動物を無理やり2本足で立たせ"人のように振舞え"と強要し交配制御と薬物による遺伝子操作で繁殖する。 その上、羊の長老をして慈悲深い善人の神、獣人らの父であると刷り込み、逆らう獣人には電撃の懲罰を下し、殺戮は彼の手下の獣人らに命令する。 だが博士の理想はあくまでも共存の楽園である。肉食獣は肉食をせず草食獣と穏やかに共存し、日々音楽を奏で、アカデミック且つ従順で純粋な「理想の人間」の「理想の楽園」・・・まるでそれは某ランド、某大帝の暗黒のカリカチュアのようでもある。 後半獣人たちの反乱という展開にはなるが、彼らはあくまでも獣らしく生きる自由を求めるわけで、同族殺しに至っては"おまえばかりがお父様に可愛がられやがって!"というある意味健気な理由であったりもする。
モローの一番のお気に入りで獣人らよりビミョーに優位に立つ小人マジャイ、手元に置いたアザゼロ以外の犬男らの忠実、猫女アイッサの諂い、森で勝手に繁殖する鼠男の群れ、肉食獣ハイエナや豹男ロメイの苦悶と父であるモローに愛されなかった嫉みも胸に迫る。
それを知識階級の平和主義者で洋上では同朋殺しまで犯している役立たずのダグラスにラリったようなD・シューリス、妖しく狂気する神経外科医にV・キルマー、何より笑顔で平等博愛を説く鬼畜モローにM・ブランドという絶妙な取り合わせもたまらない。 S・ウィンストンの特殊メイクは顔と獣毛などの表皮だけだが、仔細な性格付けがされている上、原型がなにであったか判別しやすい分、演技にも熱が入っている。
何に抵触するのか、単に不人気からかいまだDVD化がされていないらしいが、ここはともかくデジタルリマスター版でDVD化希望と書いておこうか。
by まいる
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